掛け捨て?積立貯蓄?本当に必要な「がん保険」の選び方

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がん保険のなかに、「掛け捨て型」「貯蓄型」といわれている商品があります。

どのように違うのでしょう。

30種類近くあるがん保険のなかで、何を基準にどう選ぶのか難しいですよね。

がん保険を選ぶときに気になるのがその保険が掛け捨てか貯蓄型のどちらのタイプであるかが挙げられます。

しかしがん保険商品の本質はそこではありません。

今回は掛け捨て型と貯蓄型の違いを含めて、がん保険をどのように選ぶのかを解説していきます。

違いを知ったうえで、再度しっかりとがん保険選びをしましょう。

掛け捨てと貯蓄型、何が違うの?

掛け捨てといえば、保険料が戻ってこないものといったイメージがあるのではないでしょうか。

貯蓄型は魅力的ですが、明確に貯蓄といえるようながん保険はありません。

あくまでも支払った保険料の一部が戻る程度の解約返戻金がほとんどで、支払った保険料も低廉なものが多いのががん保険です。

貯蓄型と世間一般で呼ばれていたからと加入すると、保険料の大半は戻ってこないので掛け捨てと同じではないかと叫びたくなることも。

まずは「掛け捨て型」「貯蓄型」と言われているものがどのように違うかを知りましょう。

がん保険の掛け捨て型とは

がん保険の掛け捨て型は、契約期間に関わらず支払った保険料が解約してもほとんど戻ってこない商品です。

低解約返戻金型、無解約返戻金型などと記載されています。

その代わりに保険料が低くなる性質があるのですが、実際には保険会社(または同じ保険会社でも保険商品によって)、保障内容が異なります。

つまり、低解約返戻金型、無解約返戻金型だから安い、と一概には言えません。

掛け捨て型を選ぶときは、保険料が戻ってこないことを念頭に置きます。また、生命保険とは別立てでがんに対する保険を持つ、といったイメージで長く持つ保険としてがん保険を選びましょう。

メインの保険は別に持ち、その保障内容をライフスタイルに合わせて見直しても、がんに対する保障は持ち続けられるようにするのが鉄則です。

がん保険の貯蓄型とは

貯蓄型の保険商品、と呼べるものは限られています。

低解約返戻金型の保険は通常は貯蓄型とは呼ばれません。

支払った保険料よりも解約返戻金が多くなるものが本来は貯蓄性のある保険です。

しかし、がん保険ではそのような商品はなく、低解約返戻金型がそう呼ばれていることがあります。

無解約返戻金型に比べれば支払った保険料の一部が解約したときに戻ってくる程度の商品です。

実際には、支払った保険料から考えるとまとまった資金を準備するとは考えにくいがん保険。

それでも解約返戻金のある商品のほうを選ぶときには注意点があります。

後述しますが、貯まっている解約返戻金も、解約、貸付、転換などをおこなわなければ手元には戻りません。

あくまでも保険であることを意識しましょう。

がん保険の保険料を左右しているもの

掛け捨てだから安い、貯蓄型だから高いとは一概には言えないことが保険を難しくしているところではないでしょうか。

解約返戻金がある保険よりは、掛け捨てといわれる低解約返戻金型のほうが保険料は低くなるけれど、保険料が低い理由はそれだけではありません

診断給付金や入通院、三大治療も保障されるよりも、診断給付金のみの保険のほうが安くなります。

まったく同じ保障内容の商品はなかなかなく、給付金額も違えば日数制限や、予定利率も異なるのです。

貯蓄性のある保険とは

がん保険の一部商品は「貯蓄型」などと呼ばれていますが、あくまでも保険は保険であり貯蓄ではありません。

一般的には解約返戻金の有無により「掛け捨て型」「貯蓄型」といった呼び方が浸透しています。

しかしその解約返戻金の増え方は貯蓄性がある保険商品とは比べ物になりません。

貯蓄性がある保険商品とは本来、一時払い終身保険や、個人年金保険です。

  • 一時払い終身保険

100万円などまとまった保険料を一時払い(一括)で支払う。

保険会社に預けているあいだは死亡保障を得られ、数年間の一定期間を置いて解約すると数千円から数万円解約返戻金が増える

  • 個人年金保険

月払い・半年払い・年払い・一時払い(一括)などで保険料を支払い、被保険者の年齢が一定年齢となったら一年ごとなど定期的に給付金を受け取る。

総受取金額が支払った保険料の総額よりも多くなる商品が多い。

保険料の支払い期間(一時払いのときは支払ったあとの期間)が長くなると、解約返戻金が保険料を上回ることもある。

ほかにも養老保険、学資保険などが有名ですね。

対するがん保険商品は、貯蓄型といっても支払った保険料の一部が解約金となる程度です。

健康還付特則などを設け、70歳時点で払い込んだ保険料相当額から診断給付金を差し引き給付するものもありますが、払い込んだ保険料を上回る解約返戻金になることはありません。

しかもあらかじめ定められた年齢時点での給付です。

あくまでも、がんになったときのための各種保障がメインの保険です。

自分自身ががんと診断されたあとも治療をしていくため、生活を守るために加入しています。

貯蓄は別途で蓄えていき、保険はあくまで保障として加入することをお勧めします。

解約返戻金があるがん保険、どういうときに役に立つ?

解約返戻金があることは大変魅力的だという人もいらっしゃるかもしれません。

その解約返戻金はどのようなときに役に立つのでしょうか。

保険を扱う人のなかでも多様な意見がありますが、具体的にその恩恵を受けるときは以下のようなときです。

解約する

保険契約を解約すると得られるお金です。

がん保険では貯蓄型といってもその払い込んだ保険料を上回る解約返戻金は期待できません。

たとえば月払いで3,500円の保険料を10年間支払っても払い込んだ保険料の総額は420,000円です。

仮にその40パーセントが解約返戻金だとすれば、手元に戻る解約返戻金は168,000円になります。

解約返戻金がどの時点でいくらになるのかは、契約前にも契約中にも知ることができます。

保険会社により異なりますが、下記のような資料で確認できます。

• 保険商品のパンフレット
• 保険証券
• 契約者に送付される契約内容のお知らせ
• 契約時に手交される書面

手元にお金は戻りますが、保障はなくなります。

目標の金額となる年齢が50歳だとして、そのころにがんへの保障を減らしてもよいのか戸惑うかもしれません。

また、保険商品を見直したくても診査に通らないかもしれません。

契約者貸付を受ける

解約返戻金の範囲内で保険会社から貸付を受けることができます。

保険会社により取り扱いが異なります。

解約とは違い保障は継続されることがメリットです。

デメリットとしては利息をつけて返さなければならなかったり、貸付を受けている人の給付金は貸付額を相殺して支払われたりするケースがあることです。

転換制度を利用する

解約返戻金があるがん保険を有効に活用できるのは、この転換制度を利用するときではないでしょうか。

保険会社により取り扱いの有無は異なります。

転換制度は同じ保険会社内で、古い保険を下取りして新しい保険に加入することです。

新しい保険の契約日をもって、古い保険の保障はなくなります。

新しい保険に加入するよりも保険料が割り引かれることがメリットで、同じ保険会社でなければ利用できないことはデメリットです。

下取りに活用できるのは魅力ですが、そのためだけに解約返戻金のあるがん保険を選ぶというのは危険です。

続いて、どのようにがん保険を選ぶとよいか解説していきます。

がん保険の選び方

がん保険は総合的な生命保険に比べると低廉な保険料で契約することができます。

がん保険の商品の中にはがんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中でも保険料の払い込みが免除される商品もありますが、ごく一部です。

保障の対象はがんのみである商品がほとんどです。

そしてがんという病気は年齢を重ねるほどにリスクの高まる病気です。

それらをふまえ、がん保険は総合的な生命保険契約にプラスする考え方が主流です。

いくら解約返戻金があっても解約しなければ手元にお金は戻ってこないのです。

貸付では利息を取られてしまうかもしれず、まとまった金額を準備するには毎月の保険料は高額を支払わなければなりません。

ではがん保険はどのように選ぶべきでしょうか。

がん保険を選ぶときには、その保障内容が自分に見合っているかで選びましょう。

保険料を左右しやすい項目に下記のような保障があります。

保障を比較するときにはチェックしてみましょう。

主契約と特約の内容

生命保険には主契約と、オプションのような特約があります。

がん保険には、診断給付金、入院や通院給付金、手術・放射線治療・抗がん剤治療の三大治療といわれる治療に対する給付金などがあります。

がん保険は保険会社によってそれらのどれかが主契約、特約に分かれています。

診断給付金は初回のみの支払いであるものと、何度も支払われるものがあります。

複数回支払われるものの保険料が高くなりがちですが、再発まで保障したい人は複数回のものを選びましょう。

入院や通院の給付金は日額保障のもの、かかった分が給付されるもの、入院や通院では給付がないものなどがあります。

さらに日額保障は一日あたりいくらなのか、日帰り入院から保障されるのか、日数制限があるのかに分かれているので、よく調べてみましょう。

かかった分が給付される実費補償タイプも、要件は必ずチェックします。

三大治療の給付金は、三大治療すべてを保障するものから、取り扱いがないものもあります。

主契約と特約が何であるのか、自分が欲しい保障があるのかを比較して選ばなければなりません。

主契約が定期か終身か?

年齢を重ねていくとより心配になってくるのが、がんと診断されるリスクです。

前項で選んだ主契約は、保険会社によって一生涯保障が続く「終身型」と、一定年齢までを保障する「定期型」に分かれています。

終身型のほうが保険料は高くなりやすく、定期型のほうが安くなりがちです。

定期型の保険の保障は何歳までなのかはもちろんですが、主契約は終身型であっても、特約は更新できる限度が何歳までかをチェックしましょう。

また、主契約は契約時の年齢で保険料が決まるけれど特約の保険料は10年など更新型、といったタイプもあります。

契約時だけでなく、保険料が変わるのかどうかも大切なポイントなので忘れずに調べておきましょう。

上皮内がんの取り扱い

非浸潤性、上皮内新生物、早期がんなど上皮内がんに対する表記はさまざまなものがあります。

上皮内がんであるときの給付金の取り扱いも保険会社、保険商品で大きく異なっています。

  • 上皮内がんは対象とならない
  • 上皮内がんのときも給付要件は変わらない
  • 上皮内がんのときは一部の保障を給付するもの
  • 給付金額が50パーセントなど制限されるもの

などから選ぶことになります。

主契約と特約を限りなく近づけた保障内容にしても、上皮内がんの取り扱いで保険料が大きく異なることもあります。

自分が上皮内がんの保障をつけたいかどうかを検討し、保険会社や商品を決めていきましょう。

がん保険をどうしても掛け捨てか貯蓄型で選ぶときは…

がん保険は、保険料が戻ってくるのかこないのかで選ぶべきものではありません。

現在ざっと調べるだけでも30種類近くあるがん保険。

その主契約と特約が何になっているのか、その保障が終身であるか定期であるかや、上皮内がんに対するものがどのようになっているかをチェックしましょう。

現在のように生命保険の保険料を決める要素である「予定利率」が低いなかで保険選びをするときには、保険と貯蓄は切り離して考えていったほうが分かりやすいのではないでしょうか。

ライフスタイルに見合うよう見直していくメインの生命保険、そこにプラスアルファで契約するがん保険、そしてそれらとは別で貯蓄をするのが理想です。

解約時には少しでも手元にお金が戻ってこなければ保険をかけている意味がないと思っている人や、貸付や転換を利用したいと強く願う人は貯蓄型といわれている商品にしておきましょう。

その際必ず、自分が契約しようとしているがん保険の実際の保険料と解約返戻金の増加がどのようになるかを確認しておきます。

本来は解約金がない、もしくは少ない商品であると理解をしたうえで、その保障内容から保険選びをしたほうが無難です。

今回解説した内容をもとに比較検討して納得できる保険を見つけましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

保険外交員歴10年を経て保険ライターとなりました。 FP資格で得た知識と、それを活かした営業経験をもとに生命保険、損害保険のことを伝えていきたいと思っています。